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パトリック・モディアノ 家族手帳

モンタージュの手法。一五の断章からなる、およそ二百ページ。主語はすべて主人公のパトリック・モディアノであり、自伝的なことが臭わされている。記憶が扱われて、様々な過去の地平が順序を乱して現れる。それらの相互は、主人公とその周りにいる数名で薄くつながっている。しかし、このつながりは文中で全く強調されていない。それぞれの断章は、それぞれの物語の構成上、完結しているものとして読み手は受け取るほかない。文体は小説そのもので、適正な省略法が用いられてくどくない。まさに手帳のように、スケッチのように、重要なことが書いた本人にのみわかる言葉で記されている、という風合で、一冊の物語としてのドラマ性や、それぞれの断章のつながりや、ヒーローのような登場人物、テーマ、といったものがなくても、小説を書いていける、ということを示してもいる。

それぞれの断章に出てくる(主人公とその家族以外の)脇役たちは、とても的確に特徴を与えられて、断章それぞれではきちんとした「重み」を持っている。
・祖国を捨て、太るがままにしようと決意した「でぶさん」(X)
・おじの「アレックス」は田園の水車小屋を不動産屋に問い合わせて訪問するが、実際は水車すらない想像外の物件で落ち込んでしまう。(XI)
・自分の亡き父について自伝小説を書くよう主人公を勇気づけるものの、しばらくして金持ちと連れだってしまう、恋人「ドニーズ」(XII)

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2015.05.29(Fri) - 書評 2015





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