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自由

私は投げ込まれ、
その大きな円のなかを自由を奪われて泳ぐ。
現実で欲しかったあれほどまでの自由を、ひとにぎりも手に入れることができずに。

まわりには隣人たちがとり囲み、
「かわいそうに」「かわいそうに」と口々に声をかける。

私はますます強く泳ぐ。
だが水流は比例するかのように、その渦巻く力を強めるばかりだ。

「かわいそうに」という声はますます強くなる。
どうしてみな私を哀れむのだろう。
水流も、筋肉の振動も、声も、疑念も、増し続ける。

滝も、
ダムも、
カヌーも、
飛行機も、
ビルディングも、
なにもない。

救いはなく、ただ増し続ける。もともとあったものごとだけが。
どうしてみな私に「かわいそうに」と言うのか、
結局わからないまま、
自由を奪われた私の筋力は次第におとろえ、

体も、
意識も、
声も、
水も、
頭蓋骨も、
すべてがひとまとまりに絞られて、
渦のなかに突入していく。

「かわいそうに」「かわいそうに」「かわいそうに」
彼らはなにも、教えてはくれない。
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2012.12.29(Sat) - 詩と作文 2012





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