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思い出

夢・目標・一生の仕事
そういった達成出来るか不明の概念に片道切符を持ち突き進むことが
人生だとはもう思えない

舟が出発したときは確かにあった満月は
すぐ地球の裏側に姿を消して
今度は背面から太陽の光がもの凄い速さであらわれた

それでも僕らは
「適当な手段を用いて自らの目的を追求」しなければ人たりえず、
その「手段を誤れば」たちまち「代償を支払わされる」

どの孤島であっても「何か職務について」いれば
「それがどんなにつまらない仕事であっても、大きな物質的利益が得られ」るのだ

囚人は星座を一人目指したが
もはや太陽と青空と一面の海原が広がり
周囲には名も知れぬ島々が二三個見えるのみだ

僕は思い出す、「その通り」にしていた頃を
「というのも」僕たちは「もうおしまいで」
「世界の果てにおり、なすべきことはただ一つ、従うことなのを感じていたからだ」

最低限の人間の尊厳を
最低限の生きていくことに必要な知識を
渇望して手に入れられるかもわからず
死にたいと発狂した一人の男が
いま意気揚々と夜空に向かって出航し
昼光の最中、自由に目をくらますとは
恥ずべきことだ

知ったことをいうね、とトビが嘆く
孤島で羽を休め、卵をうみ、地球を半周する生息
風を読み、海原を滑空し、魚を捕り、木に降り立つ技術
足は細く丈夫で、翼は彼らに与えられた報酬だ
それにトビは群れで行動する

この海原より、あの星座より
名もなき孤島や、恐ろしい監獄のほうが
もし人生が思い出作りにすぎないならば
最適地にふさわしいということになるのだろう

著者注
※「」内は引用 プリーモ・レーヴィ(竹山 博英 訳)『アウシュビッツは終わらない―あるイタリア人生存者の考察 』(朝日選書)
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2012.12.29(Sat) - 詩と作文 2012





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