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群れる

どうして そんな ふうに
ひとりで 歩いて いるの

向こうからは 連れ立ってやってくる 家族
頭上にはトビが集まり 空をゆらがす
夏風と波音が 混じりあう なかで
足元でさえカニは二匹 水溜まりが干上がるのを待っている

ごつごつと 白い岩が うねる
足裏の 痛みが 増す
岩の裂け目を 眺めて 躊躇する
トビがさらに低く 鳴かずに滑空して舞い降りる

わからない けれど
いつまでも こうしていたいわけでは ない
こうして 海に身をまかせて 耳もまかせて
全身で この生の恐怖を浴びているが
背後から差す陽光と 頭上の数十匹のトビの旋回
そんななかでは そう長く もちはしまい
いまここで あのクチバシで八つ裂きにされても 何ら不思議じゃない

かつては軽々と飛べた岩間も いまではこわい
君や誰それや 足並みを揃えて 生きるようになったからか
言い訳も肉体の衰えも この跳躍で消し去りたい

着地して 伸びたアキレス腱が機能を果たす
背後でウミムシの群れが もといた場所にそぞり帰る音が聞こえる

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2012.12.29(Sat) - 詩と作文 2012





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