Recently
Archive
Category
Link
Profile


0130

ロンシャンへ。フランス領内だが、バーゼルから列車で2時間ほど。丘を徒歩でしばらく登ると、教会が姿を現す。外部は写真どおりという感想だったが、内部に入ったとたん完全に打ちのめされた。家に住んだこともないのに、1室空間の家を想起させるコーナーの多様さと落ち着きがあった。壁の直線から曲線への変化が、玄関先やドアの向こうのアプローチの奥行きを言い換えているような距離感を与えていた。そこにそえられているたんすやベンチと壁の、必然的にできる隙間がとても場当たり的でいまさっき置かれたように見えている。グレーの説教台と白いプラスターの壁は団地を思い出させる。スビーカーのような沢山の開口部の隣から時たま鳴り響く金属製の重いドアの壁に当たる音と、教会座席部の床の傾斜のであう場所はまさしく海だ。海の音、砂浜の傾斜、波打ち際、それらはコルビジェの手書きのla merの筆記態でひとつになる。こう記述すると宗教のようだが、外部からみると、祈るための機械のように、光を取り入れるための高い塔が聳え立ち、屋根の造形はおおぶりで、開口部が無数にあいている。外見はオブジェクトな機械なのに、内部は家、この二重性がたまらなくしっくり来る。それはそのまま、僕のそだった団地の、外から見た我が家の大振りな白い外見と、内部の小さなプランの、アプローチの長さ(ギャップ)のイメージに適合する。結局形態そのものではなく、この分裂した二重性が魅力をもっているのだろう。などと物思いにふけりながらふもとのカフェでゆらゆらして列車を待ち、バーゼルへ帰る。

スポンサーサイト


2009.03.03(Tue) - 欧州旅行日記 2009/1・2





/