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0219

ノーウィッチへ。セントラルからバス30分、郊外の大学へ到着。構内に建つセインズベリー視聴覚センターへ。そっけない外観だが、天井部の角が丸く曲がっていたり、入り口が工夫されていたりするので工場のようには見えない。内部。箱なのに訴えかけるものがある。光が入ってくるが、トラスのある奥は陰になって見えない、コーナー部の処理がよい。壁を覆う金属製の湾曲したルーバーの肌触りが、やさしい。さわるとやわらかくたわみ、金属らしさを追い求めた結果ではないデザインに見える。地階展示で、ツェッペリン格納庫からインスピレーションを受けていたことを知る。キャノピー、入り口、螺旋階段のバランスがよいが、規格化から起こるものに見える。均質な光は、曇天だからかもしれないが、少し弱めに見える。天井を見ると縦方向にパネルが何列かはめられて光量が減らされている。室温も快適。脇のレストランから、展示室までうっすらと声が聞こえてきてくる。パブリックな要素を声の大きな民族性をいかして、ワンルームでうまく処理している。ロンドンへもどり、旅先で知り合った方と連絡を取る。


2009.03.13(Fri) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0218

ジョンソーン邸へ。中では沢山の人が銅像をスケッチしていて、これまた日本ではあまりありえない光景。天蓋の部屋の天蓋の浮遊感といったらない。トップライトに色がついているのは、いかめしい美術品の並ぶ空間にポップさを与えていて、いやみじゃなくていい。このトップライトのつけ方は、初期原広司住宅に似て、とても小さなものを簡易的につける趣味。いったい原さんはどこからこれを学んだのだろう?階段部の細長いアーチ状の開口がいたずら心満載。総じて古典的お茶目の印象。英国博物館の天蓋は、膨れ上がったコーナー部処理がよい。これもちょっとずらすことのデザインである。そこに高貴な技術が集中しているように見える。入ってくる光の白さもバイエラー美術館に似てきれいだ。対照的な展示室の色使いをふくめた暗さはアリ。沢山あるいてフューチャーシステムのクリケット場は入れず、動物園に行って鳥篭を見る。設置面積が少なく、形も幾何学的美しさにたたえられて、素晴らしい建物。AAschoolの匂い。その後メトロにのり、カナリーワーフへ。新しく開発されている途中の新興川沿い地域。宿で親父さんとドラマ「一枝梅」見て就寝。


2009.03.13(Fri) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0217

飛行機でロンドンへ。韓国人宿に荷物を下ろす。中心地は背広姿が目に付き、東京をおもいだす。古い建物が沢山あるので決定的な印象は異なる。スイス・リ・本社ビル、シティーホールもよかったが、ロイズオブロンドンが衝撃的で、たしかにすごかった。いい建物に見えた。センセーショナルなだけではなくて、設計能力がある人が立てた建物に見えた。道に面した縦動線タワーの配置と、アプローチ、階段、B1パブリックスペースの設計の折り合い。部材の太さに細心の注意を払ったディテールをこと細かく設計しているその密度。おそるべし。これは世界中がハイテク建築を絶賛してしかるべき建物と思った。こんな無骨なディテールを設計できるようになるのは、生き残っていくためのひとつの武器なのだろうが、カラトラバやイギリス人にかなうとは思えないから別の方法を考えねばならない。ともかくこの高層建物のヴォリュームとプランは参考になるから記憶せねばならないだろう。ロジャースのもうひとつのオフィスビルも、よかったが、決定的な変化はなく、同じコンセプトの現代的解釈というかんじであった。テートモダンへ。本当に素っ気無い。層状に展示室を並べて、意図的に賑わいをうみだそうというコンセプトのビルだと感じた。それは成功していると思う。外構が駄目。スロープで遊ぶ子供たちが、コンプレックスの無いイギリス人の民族性を感じさせた。ミレニアムブリッジをわたり、少し歩いて宿へ帰る。キムチをたらふく食べる。天国。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0216

オペラ座、羅六種ジャンヌレ邸、ギマール自邸、コルビジェのアトリエを回る。オペラ座のホールのプロポーションは立方体に近く、緊張感がある。そのせいかオルセーにあるオペラ座の断面模型は、ジャスコの断面みたいにみえる。平滑な面をブローチや切れ込みで徹底的に取り除き、平滑な面は柱のの背後の暗闇の中に落とし込んでいるので、空間が広く見える。コーナー部の処理がポイント。ジャンヌレ邸は入れず。ギマール自邸はひだに残ったエイジングが美しい。余白の使い方が個人的に好き。コルビジェのターキッシュビラを思い出す。コルビジェのアトリエは平面のゆがみがほとんど感知できない不思議な空間。高く配置されたベッドを見て、ああここに建築家が作ったベッドがあったなあと思い出す。起きた瞬間、ベランダの灰色のベランダで無くて、町が見えるのは、とてもいいアイデアだと思う。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0215

一日休養。情報収集。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0214

郊外線にのり、最終駅で下車。時刻表ミスで乗れなかったバスをあきらめ、ポールのバゲットをかぶりつきながらタクシーに乗り込む。道が複雑だったが25ユーロほどで、メゾン・ルイ・カレに到着。アアルトが画商のために立てた住宅。アプローチからの見え方は、とても自然であり、プランとオリエンテーションの関係も正しい。エントランスからリビングへと続き、庭へ抜けていく視線の角度がとても心地よい。いわゆる連続しているけど切られている感じである。それを実現しているうねった屋根が一つのこの住宅のおおきな特徴である。そういう自然な感じからいうと、電灯や、ルーバーのような小さなスケールのものに、独自のこだわりが認められる。金属板をほどこしたドアの閉まるときの感触や、風呂場、サウナの木の使い方など、やはり細かいところにこだわりがみられる。まあ古きよき時代といってしまえばそれまでだが、全体のプロポーションを少しづつずらして、少し変わった建物をたてるところなんか、スイスに似ている気がした。こんな家を建てて死んだ人っていうのは、全く今の自分とはかけ離れた、静かで地に足の着いた、手に自信を持った人だったのだろう。ヴォリュームの配置だけでも、今で言うセンセーショナルな建て方ができる人だったのだと思う。巨匠を研究してできることとは、そんなデザインのことなのだろうと、岸田研を思い出す。絵に描いたような暖かい家族が遊んでいるのが、目にみえるような家だった。ルイ・カレという人は逆に寂しがりやの人だったのかもしれない。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0213

サント・ジュヌビエーブ図書館に何とかごまかして入り込む。長方形の外観に対する、ドーム天井の意外性がとても新鮮だった。閲覧場所(勉強場所)の周りを2段に分けられた本棚が囲んでいるのだが、階段のつき方なども省スペースにまとめられていて、中央の閲覧場所を広く取ることに専念されているのがわかる。必死に勉強している一団に加わりたくさせる、威厳のある一室空間だった。パンテオンの横だし、歴史の重みを感じる。ただしカフェもついていないし、子供も入らないし、自由な感じはない。でもこんな緊張感を与える図書館を持つパリはたまに来てもいいなと思う。オルセー美術館、建築博物館、エッフェル塔、ケ・ブランリー美術館を回る。オルセーは何よりも先にその色使いに平行してしまい、なじめなかった。分析してしまえば、中央の吹き抜けのスペース(しかも今一ぐっと来ない感じ)を設けたのに対して、あまりに他の階が複雑すぎる気がして、全体のイメージが曖昧すぎる。建築博物館は展示内容が面白かった。建物も、ちょっと変則的なスペースを特徴的に見せる、無駄なものを排除したコンバージョンで、交換がもてた。エッフェル塔は普通の人と変わらない感動を味わったように思う。たしかにあの鉄骨の間から写真を撮ってみたくなった。ケ・ブランリーは疲れていたからか、よくわからないうちに見終わってしまった感じ。この建物の与えるストレスは尋常ではない。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0212

グランアルシュを通り、サヴォア邸へ。斜めから見ると、思ったより重く見えるので、アプローチに疑問が残る。内側の壁がそれに対して薄すぎて、なんだかおかしい。注目したのは、水平連続窓の内部での反射効果。テラスに面した水平連続窓が、外側の道路を走る自動車の動きをきれいに切り取っている。それが内側の大きなガラス面に反射して、テラスから室内方向を見ているときでも、そこに自動車の動きが反射して見えるのである。この効果が、道路、外庭、水平連続窓、ガラス面の、完璧な水平関係で成り立っていることがテラスにたつとよく分かる。この大開口はカーテンウォールの住宅内部への持込みと思う。それが空中庭園の要素のひとつなのかもしれない。なんていうと誰かが喜ぶのだろう。1階部電灯、水場の街路的置き方、青に塗られたトップライトの落ちる廊下、入り組んでいることによる2Fプランの分かりにくさが目に付いた。特に2Fの複雑さは、大きく撮られた広場の裏の町のごちゃごちゃさのようで、中々気持ちいい。が、あまりに曖昧なところが多くて、総じて深入りしたくない気分になった。ノートルダム、ギャルリーラファイエットなどを回る。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0211

パリは空気が暗いと感じる。久々の大都会の喧騒にたまらない心地よさを感じる。ラヴィレット公園はチュミのフォリーがたっているところなかなかよかったが、道路沿いは建物がただ切り貼りされたようなかんじで時間をかけて計画されたようには見えない。ペローの図書館(周りの低い町並みから、あえて大きく聳え立つものの、特徴的でない姿が、やはりかっこよかった。予想以上。)、ルーブル、ポンピドゥーを回る。いずれもよく計画されていて、人々に愛されているように見える。パリは大きく飯もうまいからいい。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0210

修道院は現在改修され、宿泊施設となっている。かつての独房が一人用部屋になっているのだが、この部屋が実にすごしやすい大きさ。寸法がモジュロールによっていることを確認。この建物については今まで褒めちぎられているので、特に書くこともないだろう。今は改修中のため。部分的に入れないところがあったのが残念。リヨンへもどり、TGVでパリへ向かう。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0209

リヨン空港へ。カラトラバ作のTGV駅。駅は駅でもとてつもなくでかいので駅を超えている。駅ごときにこんな大きなものを立てて、記念碑にしようという建築への力が、欧州にはあるのかと思わされる。が、同時に無駄とも思える。建物としては迫力があって、構築物としても出会ったことの無い新鮮なものがある。部材の大きさが普通より大きく、プロポーションに迫力がある。駅を利用していない人々が中を通り抜けていくのも光景としていい。ただ、スイスの素っ気無さとは対照的である。すばらしい建築をつくることだけが建築家の仕事、ということならば、自分としては他のところで勝負したいと思ってしまう。7時過ぎ、ラ・トゥーレット修道院へ到着。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0208

スイス最終日。氷河特急に乗って一気に西へ戻る。スイスの山岳鉄道は。由緒あるものだそうだ。パノラマカー。景色はほとんど見ず、(雪で見えないのである)読書とか寝るとかする。今回使ったスイス(ユース)パスで、追加料金なしで乗れるからお勧め。観光客用だけれども。イタリアから来たチザルビーノに乗ってジュネーブへ行き、そこからリヨンまで行ってユースにとまる。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0207

ギゴン・ゴヤーの美術館のあるダボスへ。有名な世界会議の開かれる町には見えないほど小さくてかわいらしい町。スキー場やスケートリンクが近くに見えて、スキー板を担いだ人が沢山街中を歩いている。ニセコに来た気分。目当ての物は、ディテールがきれいな小さな美術館。シンプルでいいと思うのだが、この小ささならもっとアプローチから自然に展示室へ入っていけた方がよかったのではないかと思う。なにか無駄に美術を見る場所を作られている気がして、そういうのはあまりなじめないのである。周りのギゴンゴヤの建物も見て、町を歩いてクールにかえる。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0206

まだ日の上らない朝、一番風呂に入る。眼鏡をかけて入ったら、昨日には見えなかったところが見えてきた。目地が執拗に細かく色々な間隔で切られているが、そのディテールはモダニズム風に四角に収めてある。それが少し変に見える。細かい差異はローカルな材料や技術のなせる業で、そういう建物には、必ず誤差が入っているものだと思うが、この建物には、誤差がない。誤差が出そうなものを誤差なしで現代の技術で作るのは一つの商売方法なのだろうが、形がただ四角形のままだと、感動が薄いのも否めない。安藤忠雄のようなドラマチックな空間構成もない。が、この人々を感動させることに媚びてないというところが、スイスっぽい落ち着いたところなのだろうと思う。スイスでは、周辺国にかこまれた中で、海外列強に傭兵として出稼ぎに行って、時にはスイス人同士殺しあうこともあったという。金を持った人に忠誠を誓うゆえの残酷な話だが、スイスの町には、そんな人々をたたえる有名な傭兵の銅像がいくつかあった。ヘルツォークにしろギゴン・ゴヤーにしろ、素っ気無いくらいの建物をスター建築家に作らせる土壌は、雇用の関係の強いプロ意識がさせるものなのだと思う。人は貧しいとなにかとセンセーショナルなことをしたがるものに違いない。イランツまでもどり、カミナダの建物の立つ町へ。小さな集落のところどころに、新しい建物が建っているのが彼の作品。その後サンベネディクト教会へ。雪が吹く道の中を1時間登る。ディテールの美しい小さな船か家のような教会。空間として面白いわけではないが、丹念に作られた様子は伺える。これは見学者がくる場所としては全く想定されていない。内に内に閉じこもっていくような感じ。開口部が少ないからかもしれないが、ガラス張りのファサードにすれば開放感が出るわけでもない。家は家でもこんな家は嫌だと思う。無論教会も。クールへもどる。


2009.03.12(Thu) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0205

クールから列車にのり、ヴァルスへ。ズントーの温泉施設へ。リスボンで見た模型やプレゼンの雰囲気より、沢山の人がいて明るい雰囲気。空間の色合いに落ち着きがある。彼が内装を担当したホテルの部屋に泊まった。壁が一面に赤く塗られている。やはり意識が高揚させられる。勉強部屋とかに、赤い部屋というのは案外いいかもしれない。



2009.03.04(Wed) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0204

クールへ。森に囲まれた町。町の中に幅の広い線路がしかれ、列車が走っている。この町を基点に、ズントーの作品をいくつか見る予定。最初の作品を見に行く。町で配っている地図の方位が、南が上になっているのに気付かず逆方向にいってしまう。ローマ遺跡保存のためのシェルター、ビュンドナー美術館の回廊を見る。いずれも既存の建物に付け加えたような建物だが、コンクリートを使わず木造、鉄骨造で解決している。しかし決して仮設的な立て方にはみえない。それは作る空間の方向性が、きちんと思い込まれて打ち出されているからである。雰囲気マサンツの老人ホームを見に行くが、なかなか見つからない。近くを散策していたら、面白い教会を見つけた。コンクリートうちはなしの造形的な建物。造形に一定のルールが読み取れる。ディテールもシンプルながらきれい。作者不明だが、凄みがある建物は、事前情報なしだと、圧巻である。


2009.03.04(Wed) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0203

オーストリア領ブレゲンツへ。パスポートや切符のチェックはない。町がスイスより舗装されていないし汚れている。ズントー作の美術館へ。立体的に斜めに傾けたガラスパネルでおおわれたファサード。建物の壁がはがれて、ずれて、全体がゆがんだ感じに見える効果が面白い。パネルを支える留め金をファサードにだすことで、リズムを与えている。展示入れ替え中だったが、“2step only”と頼み込んで入れてもらう。横方向の真っ白な均質光が部屋に入り込み、時々人影が写る。けずりだされたような溝の無いコンクリート。プランは不通なので、一般的な材料を検討しなおして、あまり多くに手を出さず、小さなディテールから丹念に物をつくる態度がうかがえる建物。その後、湖上でオペラ劇場が建てられているのに気付き、見に行く。毎年違うデザインで仮設されているらしい。それにしてはクレーンも出動するなどかなり大掛かりで、からんころんと音がしている。湖上のため柵も最小限で、工事をぱらぱらと見学に来る市民の姿が見える。いい光景。ロープーウェイで山の上まで上る。町から離れた山の斜面にたくさんの新しい住宅が建っている。宿に戻ってネットカフェに行って、就寝。


2009.03.04(Wed) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0202

今日はバーゼルを周る。この町のトラムの駅舎は秀作である。待合室、ベンチ、キオスクをコンパクトにまとめて、立地条件にあって最大限とられた角の丸まったひさしが、渋い特徴をだしている。コルビジェセンターへ。規格化されたボックスのディテールがやはり彼なりの美的センスに支えられている。冬期休暇中につき中には入れず。表面だけ凍った湖を地面と間違え、足をつっこみ、凍傷寸前。近くのスーパーで靴下を買い、難を逃れる。湖畔を歩いた先の一軒の集住を見る。トラムにのり、町の西側、フライターグ本社へ。コンテナが9層、細長く積み上げられている。それが成功して独特のプロポーションを獲得している。周りの工場地帯、大きな高速道路の中で、ありふれたものを積み上げただけで得られた細長い塔は秀逸のアイデアと思う。対照的に店内は白でまとめられ、パッケージ化された商品が陳列されている。製作のための展示などは冊子、ポスター、フィルムなど最小限におさえられていて、宣伝がおしつけがましくない。5層以降はコンテナのさび付いた仕上げをのこして、塔の頂上はささやかな展望台となっている。リサイクルというフライターグの態度を、言葉で伝えるよりも、最終的には徹底的に物で伝えようとする意思がはっきりうけとれる建物、商品陳列だった。感銘をうけて小さなポーチを購入。包装袋がおちゃらけていておもしろい。その後、バーゼルの飛行場を見て、9時ごろ宿に戻る。声をかけてきた日本やイギリスの芸大の人々と酒を飲んで楽しむ。


2009.03.03(Tue) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0201

列車で30分ほど、ギゴン・ゴヤーヴィンタートゥーア美術館へ。小さな町の美術館の増築。1Fを駐車場として、2F部を持ち上げているが、1F部構造が異常に細く、機能的に優れているように見える。鈍く反射する半透明の細長いガラスの板が外壁に敷き詰められている。その上の金属でできた工場の屋根のようなトップライトの視覚的インパクトが強く、重いものほど上に載っているように見える。かといってアンバランスではない。展示入れ替えのため中には入れず。駅に戻りルツェルンへ。車窓から小さな家のあつまった分譲農地が時々見える。到着駅のカラトラバの駅舎入り口部は良い。ジャンヌーベルの文化センターへ。突き出た長いひさしが、5Fからは風景を切り取ると同時に、遠景からのモニュメントとなっている。ひさしの裏面のパネル割りの小さなグリッドが、まわりの湖面や建物の独特のリズムに緊張を与えている。湖までかすかに見える美術館の途中のブリッジが良い。ヘルツォークのホテル、ジャンヌーベルのホテルを見てバーゼルへもどる。


2009.03.03(Tue) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0131

ヘルツォークのシグナルボックスを横目にズントーの集住へ。
黒のボリュームに対する横のラインの出し方と、点景の配置がよい。渋い雰囲気がある。
ヘルツォークの美術館はコンセプチュアル。ヘルツォークのオフィスは表層。どちらも外見からしか見れなかった。
ザハの公園施設は外構計画をまきこんでひとつの建築を力強くみせる点で、やはりインパクトがある。
夜チューリヒへ移動。すっかりユースホステルにも慣れてきた。
歴史とプロセスを組み立てられないと現代建築は評価できない。やはり情報が足りないと痛感した。


2009.03.03(Tue) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0130

ロンシャンへ。フランス領内だが、バーゼルから列車で2時間ほど。丘を徒歩でしばらく登ると、教会が姿を現す。外部は写真どおりという感想だったが、内部に入ったとたん完全に打ちのめされた。家に住んだこともないのに、1室空間の家を想起させるコーナーの多様さと落ち着きがあった。壁の直線から曲線への変化が、玄関先やドアの向こうのアプローチの奥行きを言い換えているような距離感を与えていた。そこにそえられているたんすやベンチと壁の、必然的にできる隙間がとても場当たり的でいまさっき置かれたように見えている。グレーの説教台と白いプラスターの壁は団地を思い出させる。スビーカーのような沢山の開口部の隣から時たま鳴り響く金属製の重いドアの壁に当たる音と、教会座席部の床の傾斜のであう場所はまさしく海だ。海の音、砂浜の傾斜、波打ち際、それらはコルビジェの手書きのla merの筆記態でひとつになる。こう記述すると宗教のようだが、外部からみると、祈るための機械のように、光を取り入れるための高い塔が聳え立ち、屋根の造形はおおぶりで、開口部が無数にあいている。外見はオブジェクトな機械なのに、内部は家、この二重性がたまらなくしっくり来る。それはそのまま、僕のそだった団地の、外から見た我が家の大振りな白い外見と、内部の小さなプランの、アプローチの長さ(ギャップ)のイメージに適合する。結局形態そのものではなく、この分裂した二重性が魅力をもっているのだろう。などと物思いにふけりながらふもとのカフェでゆらゆらして列車を待ち、バーゼルへ帰る。



2009.03.03(Tue) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0129

このバーゼルのドミトリー安宿は工場をコンバージョンしたものであって、オフィス、レストランなども入っている。そして、その痕跡ともいえる鉄骨仮構がそこかしこに残されている。これらデザイン手法としては納得がいくものであるが、言葉で表現されるほどのインパクトがない空間であるのが実に悲しい。トラムにのって町中心部へ行き、そこからバスに乗ってヴィトラ社へ。車窓から新しい建物が沢山見えて、この町が工業の町であることが確かめられる。小さな関門をくぐり、バスは国境を越える。ヴィトラの見学会はベルギーオースミップ生と偶然出くわして日本人4人であった。最初に見たプルーヴェの作品もよかったが、シザの次に見た、ザハの建物が最も印象にのこった。全く新しい建築との出会いだった。駅のようだ。「船のようだ」という比喩よりも、このファサードの見えない「駅」のプラットフォームに近づいてくる「列車」の気持ちを僕に想起させた。小中高時代のわずかなことしかできない日常のなかで、学校に向かうとき、僕らをピストン輸送した列車の方向性のわずかな興奮を思い出させた。内部の視覚のゆがみ、アップダウンの繊細な効果。内外すべてドローイングの効果そのままに空間が出来上がっている。色々な平行四辺形が組み合わさってたまたまできただけに見える、いわばルールにもとづいた建築なのだが、シュレーダー邸と比較したくなるような、箱からの変形が感じられる建物であった。安藤忠雄のパビリオンは建物を集約して、アプローチを魅せる手法が秀逸。ゲーリーは評価できない。新しく建てられているヘルツウォークのパビリオンもあまりに形態主義的にすぎて、何かを入れこむ建築には見えない。次にピアノ作バイエラー財団美術館へ。きわめて慎重に計算された、均一な天空光の白さがただただ美しく、はっとさせられる。平凡な線形のプランが逆に心地よいほどであった。しかしアプローチも長く(落ち着くアプローチなのだが)、高い塀でかこまれている。余計な気を起こさせないという意味で、もっと町と連続していてもよかったのにとも思う。バーゼル市に戻り、大学を見学しようとするも入れてもらえず。ボッタ作てぃんぐりー美術館へ。ガラクタ機械のティングリーの作品が面白かった。機械がきしむ音は何故こんなにも子供時代を思い出させるのだろう?


2009.03.03(Tue) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0128

荷物を宿に預け、ラ・ショー・ド・フォンへ。コルビジェはこの小さな町で若いときをすごした。初期作品6つを見る。すべてが駅から徒歩25分圏内でいけるほどの小さな町である。すべての建物が、映画館や資料館としてコンバージョンされたり、住宅としてそのまま使われているのに、人々のコルビジェへの尊敬の大きさを知る。本で読んで以来見たいと思っていた、ターキッシュ・ヴィラは、予想通りヴォリュームの美しい住宅であった。四角でも丸でも三角でもないこの建物のスケッチはひどく難しかったのが記憶に残っている。パラディオとの比較を想起してもおかしくないような、丹精ながらも独特のヴォリュームの組み合わせ方をしている。特にエントランス部は駅のホームのようで、車や電車がいまにもすべりこんできそうなスケール感を持っているように思われた。いずれにせよ20代からこんなにも沢山の建物をたててきた事実に驚く。いったんベルンに戻って再び列車にのりバーゼルへ着く。スイスの列車は清潔で広く、非常に快適である。夜半過ぎに宿へ到着。


2009.03.03(Tue) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0127

ベルンへ。宿は狭い。町が中世へタイムスリップしたかのようなのだが、中はきちんと使われているので、不思議な感じがする。市内からすぐのレンゾ・ピアノのパウル・クレー美術館へ。地面と一体化した3つのヴォリュームが、波打つ鉄骨の連なりで支えられて作られている。まわりも内部も丁寧に作られている。しかし、何よりも波打ち方が美しく感じられなかった。何も連想できなかった。さらに、地面と一体化しているにもかかわらず、屋上部に上れないのはいかんともしがたい。町に戻る。アーケード、庇といった、雪国のためのデザインが愛らしい。それに加え、歩道と道路の間に。よくふたのようなものがされていて、ここには地下へ降りるための階段がかくされている。別の町ヌーシャテルに列車で向かう。お目当てのエキスポの建物はおそらく解体された後だったようだ。また濁りの無い湖面が周りの山々を映している。近くに2つの面白い建物を見つけた。ひとつは、ぎざぎざの山脈形のトップライトがついた、黒い無愛想な工場のような体育館。もうひとつはスタジアム、消防署、ショッピングセンターのコンプレックス。どれも新しいビルディングタイプで面白い。帰路また別の町ビエールにより、かえる。


2009.03.02(Mon) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0126

列車で郊外の町に向かう。ヴェヴェイという町に着いた。コルビジェが母のために建てたという家を見るために来たが、冬季休暇とのことで中には入れなかった。でも、目の前の湖があまりにも美しかった。周りを切り立った高い山々の中腹に薄い雲が横一線にかかって、それらに囲まれたごみひとつない湖にまたそれが反射している。そこに伸びたひとつの桟橋の上から、母のための家をスケッチをした。絵は自然と船のようになっていった。細長い平面をもつ住宅は、一定の魅力を持っているように感じる。それは斜めから見たときの、船のような飛行機のような形に起因していると思う。その後近くを散策して駅前までもどって、スーパーで昼食を買い込む。飛びつくように買った春巻きに、肉が入っていなくて辟易する。ローザンヌへ。連邦工科大学で、SANAAの進行中プロジェクト、EPFLラーニングセンターを見る。図面で見たときのさわやかな軽い印象とは一転、厚いコンクリートスラブの力強い造形のインパクトが目に焼きつく。オスカー・ニーマイヤーに似たものを感じるが、彼はこんなにスラブの強さを見せたがらない。部分的に見ると、カラトラバのようなアウトラインの造形も感じられる。しかし屋根はいままで日本で立った建物と同じような単純なシステムが組まれているようだ。斜面が多く、使える建物になるか疑問だが、造形的にも機能的にも問題だし、SANAAの転換作となるであろうことは確か。建築学科を訪問するも学生の姿はみえない。トラムで湖畔まで行って探検。その後市内に戻って、1つの面白い建物をみつけた。外壁が、空気の入る半透明の三角形の布袋で覆われている。夜になると光が透過して、中の影がガラスよりもやわらかく映り、しかも内部から触るとたわんで、肌にも優しい印象を与える。もちろん断熱効果も期待できる。そんな3階建ての商業施設。夜ジュネーブへ戻る。


2009.03.02(Mon) - 欧州旅行日記 2009/1・2


0125

リスボン発easyjetにて、昼前ジュネーブ着。バックパッカー宿に荷物を置いて、町を散策する。路面にごみが少ないことに驚く。ポルトガルでは決まってでこぼこになる街中の道のアスファルトもなめらかである。物価はやはり高く、スーパーでないコンビニのような店では、75グラムのポテチが250円ぐらいするのも普通だ。建物が、パリのように道路に面して中庭を取って建てられるのではなく、中庭の無い大きな家がたっているように見える。道路が建物に対しておおらかにとられているせいであろう。コルビジェのパースに出てきそうな、枝の先に拳がついたような不恰好な木が愛らしい。洒落たカフェが見え隠れする路地を抜けると、大きな湖があらわれる。その上のカモメも淑女紳士のようにりりしくたたずんでいる。次に路面電車で町のはずれへ向かう。一転、さみしい住宅街が広がっていた。チェーン店でバゲットを買った。フランスに近いからか、なかなかうまい。そういえば、後から分かったのだが、ジュネーブは過度の住宅不足に長年悩まされているらしい。建築では、歴史芸術博物館の内部、トップライトがよかった。あの光はポルトガルにはない。それはただ光のことをさしているのではない。建物の使い方、特にメンテナンスの仕方が清潔なのに加え、ジュネーブの人々の態度が温厚だから、そういうふうに感じたのだろう。そう、かもめがあんなにもりりしかったせいだ。


2009.03.02(Mon) - 欧州旅行日記 2009/1・2





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